前回「その1」の続きになります。
マンガ家の道は、サラリーマンよりも厳しく泣き言など言う事が出来ません。
その泣き言を言えない理由やマンガ家に求められる知識、技術等を記していきたいと思います。
マンガ家はベンチャー企業の経営者
マンガ家を含む作家業は、読者や視聴者に笑いや感動を提供するサービス業です。
感情(心)を動かすと書いて感動です。涙物だけではなく、ワクワクやドキドキ、ハラハラも含みます。
笑いや感動を提供できなければ、事業そのものが成り立ちません。
マンガ家は、新しい感動のあり方を読者に提供するベンチャー企業の社長だと思ってください。
あと「寝る間も惜しんで、一生懸命やってるんですよ!」はサラリーマンのセリフです。
サラリーマンは、社長や上司の下で能力を発揮する職種です。経営者とは違います。
マンガ家は独立心も必要とされます(会社に入社してマンガを描いている人もいるかもしれませんがほとんどの人がフリーです)。
マンガ家にとって、編集者や編集長は上司ではなく取引先(ユーザー)に当たります。
出版社は、マンガ家が制作した作品を買い取って、読者に販売しております。質のいい物をもとめるのはしごく自然なことだと思います。
マンガ家が求められる能力
マンガ家をビジネスマンに例えますと、絵とライティングのスペシャリスト(職人)であり尚且つ、知識ではジェネラリスト(複合的能力)の能力を要求されます。
一分野のスペシャリストに成るにも大変な努力が必要です。しかしマンガ家は、複数のスペシャリストに成らなければならないです。
マンガ家に求められる知識と技術
- 画力
- シナリオライター
- コピーライター
- 人文学
- 心理学
- 写真の知識
- 宗教学
- ジャーナリスト
- 歴史学
上記で示したもの全てが必須ではありませんが、画力とシナリオとコピーライティング、人文学と写真の知識は必要ではないでしょうか。
画力とシナリオがなぜ必要なのかは皆さんご存じなので割愛させていただきます。
コピーライティングの能力は、決めゼリフや名ゼリフを作成するときに役に立ちます。
人文学がなぜ必要なのかと言うと、文学の歴史を理解することです。
現代の文学にしろマンガにしろ、古典文学から継承されています。
例えば少女漫画の9割以上の作品が源氏物語のパクリです。だから重要なのです。
写真の知識は、モデルをカメラマンがかっこよく写真を撮影しているのをイメージしてください。
キャラクターをかっこよく描いたり、迫力のある戦闘シーンを描くのに役に立ちます。
知識と技術があっても成功するとは限らない
しかし知識と技術は、手段であって目的ではありません。
上記の知識と技術が備わっているからといってよい作品が描けるとは限りません。
一番大切なのは、頭の中で物語と世界ができあがっているかです。
物語とは、主人公や仲間、そしてライバルたちの生き様を描くことです。
世界とは、人々がどのように生活しているかなどです。RPGの世界がその一例に当たります。
そのことを意識していないと、どんなに知識や技術があってもそれを活かすことができませんし、なにを売りにするのかが大切です。
例え素質があっても、知識や技術を習得するのは並大抵ではうまくいきません。
それに、マンガ家になれる素質のある者はごまんといます。
その中から勝ち上っていかなければなりません。かなり大変です。
まとめ
成功しているマンガ家を見て、お金持ちになりたいと安易に、マンガ家にはならないほうがいいです。
知識、技術等に時間や費用を費やして得られる対価があまりにも低すぎるからです。
お金に関してならサラリーマンの方が得られる対価が高いです(こちらも勉強は必要です)。
本当にマンガを描くのが好きな人じゃないとおすすめできません。
昨今、出版業界が構造不況業種になりつつあり、マンガ家のみならず出版社自体が淘汰されています。締め付けはもっと厳しくなっていきます。
それでも、あなたはマンガ道を進みますか?
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