PCでイラストを制作するのに、必須のペンタブレット。
最近は、様々な種類が出回っています。
あなたが、求めている作業スタイルによっても購入するタブレット種類が違ってきます。
今回は、そのペンタブレットの種類や作業スタイル、価格等を紹介していきます。
3種類のペンタブレット
ペンタブレットには、大きく分けて3種類あります。板タブと呼ばれる昔からある普通のペンタブレット、液タブと呼ばれるタッチパネル式のディスプレイ型タブレット、そして最近登場したモバイル式のタブレットPCタイプです。
どのタイプが優れ、どのタイプが劣ることはなくそれぞれに長所と短所を兼ね備えて独自の進歩を遂げています。
その3種類のペンタブレットの特徴を具体的に紹介していきたいと思います。
※ここでは、主にWACOM製のペンタブレットをご紹介していきます。
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ペンタブレット(板タブ)
特徴
一番始めに登場したタイプのタブレット。板状のタブレットにPCとケーブルでつなぎ、タブレットの上に専用のペンを走らせることでPCのディスプレイに字や絵を表示されるのが特徴です。このタブレット単体では、なにも出来ないのでPCとグラフィックソフトが必須になります。
長所
開発されてかなりの年月がたつので、比較的の安価です。
短所
紙に字や絵を描くのにならされてきたので、ディスプレイを見ながら描くスタイルになれるまでに時間が掛かります。
価格帯
比較的安価で、高くても5万円以内。
液晶タブレット(液タブ)
特徴
人が、紙に字や絵を描くスタイルに合わせて作られたタブレット。タッチパネル式の液晶タブレットで、専用のペンで直接描く事が出来るのが特徴。あくまでもディスプレイなのでPCが必須です。
長所
直接紙に字や絵を描くのにならされているので、板タブよりアナログな感覚で絵が描けるので描きやすいかと思います。
短所
紙ではなく液晶ディスプレイなので、ペンの走り具合など板タブほどではないがなれるのに若干時間が掛かると思います。
板タブになれている者にとって、ペンとそれを持つ手が視界をさえぎって描く障害になります。
価格帯
一時期は高価格でしたが、徐々に安くなってきています。10万前後。
メーカー
WACOMやHUION以外に数社が存在。価格はWACOMより安価。性能は不明。
タブレットPC(モバイル型)
特徴
液タブのモバイル版で、屋外に持って行く事が出来て場所を選ばず描く事ができます。
長所
軽く持ち運びもラク。そして、場所を選ばずどこでも絵を描くことが出来ます。
PCが内蔵されているので単体で、描くことができます(グラフィックソフトは必要)。
短所
かなり高額で、板タブや液タブとPCとのセット合計よりも高額です。
モバイルのためディスプレイサイズが小さく、大きいディスプレイで作業していた方には扱いにくいかも知れません。
タブレットPCのため他のPCに比べパフォーマンスが落ちる。グラフィックソフト(とくにクリスタ)での作業を維持するためにハイエンドタイプを購入しなければいけません。
構造上、メモリー増設やCPUの交換等の改造をすることができません。
価格帯
高価格。20万前後~40万前後。
メーカー
WACOM以外に様々なメーカーが出している。価格はWACOMより安価、性能は不明。
3種類のタブレットの特徴を分かりやすく表示
板タブレット | 液晶タブレット | タブレットPC | |
---|---|---|---|
価格 | ◎ | ○ | △ |
持ち運び | △ | △ | ◎ |
使いやすさ | ○ | ○ | ○ |
屋外 | △ | △ | ◎ |
筆圧 | ◎ | ◎ | ◎ |
発展性 | ○ | ○ | ◎ |
三種どれもがまだまだ発展の可能性があるかと思います。特に、タブレットPCは、課題がたくさんありこれからの発展に期待したいものです。
タッチパネルとペンの種類と特徴
タッチパネルは2種類、タッチペンは3種類に大きく分類されます。
タッチパネルの種類
- 感圧式タッチディスプレイ
- 静電容量式タッチディスプレイ
感圧式タッチディスプレイ
昔からあるタッチパネルの方式で、駅の券売機や任天堂のDSがそれに当たる。
静電容量式タッチディスプレイ
スマートフォンやタブレットPCなどで使用されている方式。感圧式に比べ、軽く押すだけで反応するのが特徴。
タッチペン(スタイラスペン)の種類
- 感圧式タッチペン
- 静電容量式タッチペン
- 電磁誘導方式タッチペン
感圧式タッチペン
筆圧のみで反応するので、NintendoDSのタッチペンの様にシンプルなのが特徴。
静電容量式タッチペン
マイクの様な形の導電繊維製ペンやペン先の細いスタイラスペン(電池やバッテリ内蔵)など様々な種類がある。
WACOMも「Bamboo Stylus」のブランドで静電容量式ペンを販売している。
電磁誘導方式タッチペン
WACOMが開発し、今現在もWACOMだけが使用している方式。電池が必要ないのが特徴で、静電容量式より反応が良く、ペンが触れる前に感知する。WACOMのタブレットは、板タブ、液タブを問わずこの方式を採用しております。
どのタッチペンにするか
4種類のタッチペンを紹介してきましたが、感圧式は少なくなってきて、静電容量式が主流になってきています。
導電繊維製ペンの場合、ペン先があの形状ですので描くのに適していないように思われます。単純なイラストなら描けるかと思いますが、コミックイラストなりマンガなりを制作するにベストなのが、WACOM製の電磁誘導方式のタッチペンでそれ以外でしたらペン先の細いスタイラスペン(筆圧感知型)になるかと思います。
WACOM製とそれ以外のメーカーとの違いと特徴
一昔前まではペンタブはWACOMの独壇場でしたが、最近値段の安い海外製の製品も入って来てはいましても、品質と信頼性ではWACOMがまだまだ上みたいです。
ペンタブレットPCに関しては、WACOM以外に、ソニーやアップル、マイクロソフトなど多くの会社が参入し群雄割拠を呈していますが、やはりWACOM製が値段が一番高いにもかかわらず不動の地位を保っています。
WACOMと他社では設計思想がちがう
他社のタブレットPCは、多機能の中の一つに絵を描く機能が付いているのに対し、WACOMのタブレットPCは、絵を描くことをメインに作られていますので、性能は一目瞭然かと思います。
しかし、タブレットPCに限らず海外製の安く高性能なタブレットが登場してきています。しかし、WACOMは揺らぐことはありません。なぜかと言いますとWACOMのタブレットは多くのプロが支持するタブレットだからです。
※追伸、他社の板タブや液タブの場合、いざオプションのパーツがほしくなった場合、すぐに販売終了して入手出来ない場合がありますが、WACOMの場合は販売期間が長いのでその点が安心できますよね。
WACOMはプロ志向のタブレット
プロ志向と言われましても、あまりピンとこないと思いますので、グラフィックソフトに例えるとAdobeのIllustratorやPhotoshopに当たります。
出版やデザイン業界にとどまらず、全ての業界でグラフィックソフトはAdobeが常識です。
Adobe以外にも優れたグラフィックソフトは、たくさんあります。Adobe以外のグラフィックソフトでも完成すると「psd」と言うデーターファイルで保存されます。
psdとは、Photoshopのデータファイルです。最終的には、Photoshopを通して製品にする形になります。
なぜかと言いますと、それは安心感です。
WACOMもそれと同じ意味で、安心感があります。プロを目指すのであれば、WACOMのペンタブは外せないという意味になります。
私の場合も、液タブやタブレットPCが高額で手に入らない場合は、他社の安い液タブやタブレットPCを購入するよりもWACOMの板タブを購入します。
理由としては
- 他社の製品の信頼性
- 他社の液タブやタブレットPCよりWACOMの板タブの方が安い
- WACOMは高額だが価格を裏切らない
以上3つの理由でしょうか。他社の製品がどれだけの品質か分かりませんし、安いからとの理由でリスクを背負って他社製品を購入するより安いWACOM製の板タブを購入します。
あと価格を裏切らないとは、ハズレくじが無いという意味です。
今のペンタブ業界の実情を見てみますと、ライバル企業がWACOMを追従する形になっていますので、ガラケーからスマホに変わるぐらいの革新的な事が起こらないかぎり現状は変わらないかとおもいます。
WACOMなれすると全種類のタブレットを容易に使うことが出来る?
家電量販店のサンプルを板タブ、液タブ等全タイプを試しに使って見た結果、どのタイプも非常に使いやすかった印象を受けました。私がWACOMなれしたのか品質が向上したのか分かりませんが、Intuos pro(旧式)のツルツルより描きやすかったです。
板タブも液タブも、液晶と板との感触は違っていましたが、ペンを走らせると違和感なくWACOMだって感じがしました(気のせいでしょうか?)。
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WACOM製のペンタブを購入したい
板タブ、液タブ、タブレットPCとどれを購入するか迷われるかとおもいますが、あなたがどのスタイルで絵を描くかで選ぶのがいいのではないかと思います。あと、財政的な理由も踏まえて……。
WACOMの製品を購入するなら、ワコムストアを利用するのがいいかと思います。
板タブレット
WACOMの板タブには、廉価版のIntuosとプロ版のIntuos Proの2種類があります。
Intuosは、最高筆圧が1024とデザインもシンプルでおすすめしたいのですが、最大の欠点がありまして、全種類のサイズが小さいことです。Pro版の一番小さいサイズのSよりも一回り小さいのです。
クリスタを購入し尚且つプロのデザイナーやマンガ家を目指すのでしたら、Intuos Proの購入をおすすめします。
初心者はIntuos→Intuos Proへと記してあるサイト等がありますが、あまり意味がありません。
Pro版を将来的に購入するのでしたら、最初からpro版を購入することをおすすめします。理由としてはIntuosからPro版に移行するにあたり、Pro版の機能を覚えなければならないので、初心から購入して覚えた方が時間の短縮にもなりますし、Intuosの購入費用分も節約することが出来ます。
しかし、経済的にIntuos Proが購入できない方は、Intuosを購入するのもありかと思います。
Intuosでもかなりの性能で、しかもリーズナブル価格なので購入しやすいかと思います。
Intuosのサイズと種類
大きさは2種類で、S:Small(210.0×169.2×10.7)とM:Medium(275.0×217.2×10.7)があります。
種類は5種類
- Intuos Draw
- Intuos Art
- Intuos Photo
- Intuos Comic
- Intuos 3D
Intuos Drawの詳細
Intuosの中で一番シンプルでリーズナブルなバージョンとなります。サイズはSmallのみで、マルチタッチ(ペン以外で指でも操作できる機能。Draw版以外は搭載)も非搭載。
ペイントツールのArtRage Liteをダウンロードが可能。色は、ホワイトとミントブルーの2種類。
Intuos Art
サイズは、SmallとMediumの2種類。ペイントソフトPainterの廉価版Corel Painter Essentialsをダウンロード可能。色は、ブラック、ミントブルーの2種類。
Intuos Photo
画像編集用のパッケージ版。サイズはSmallのみ。
画像編集ソフトは
- Windows:PaintShop® Pro X8とCorel® Aftershot® Pro 2
- Mac:Macphun pro packageとCorel® Aftershot® Pro 2
がダウンロード可能。
色はブラックのみ。
Intuos Comic
マンガ制作及びコミックイラスト向けのパッケージ。サイズは、SmallとMediumの2種類。色はブラック、ミントブルーの2種類。
マンガ制作用ソフトClip Studio Paint Pro(2年ライセンス版)がダウンロード可能。
Intuos 3D
3D制作向けのパッケージ版。3D製作ソフトZBrushの簡易版 ZBrushCoreのダウンロードが可能。サイズと色はMedium、ブラックのみ。
Intuos Proの特徴
Intuos Proは今現在、第一世代の製造を終え第二世代に移行しています(Smallサイズは第一世代のまま)。
そして性能も向上しております(最高筆圧レベル2048→8192。値段も上がってますが……)。
タイプは3種類
- Small:13.5インチ以下
- Medium:13.5~24インチ
- Large:24インチ以上
旧型と新型の2種類ありますが、どちらを選べばいいかと言いますと、安さを選ぶなら旧式、
機能性で選ぶなら新式を選ぶのがよいかと思います(Smallサイズは旧式のみ)。
実は、旧式には2つ欠点があり、一つは描く面がツルツルでペン先が滑ってまともに掛けないことと、左のボタンが
触れただけで反応することです(これは私の問題ですね。使いこなしている人もいますので……)。真ん中のホイールは役に立ってて、拡大縮小に使用しています。
対策として、ツルツル板の上にA4のコピー用紙をセロテープで貼り固定してなんとか描けるようにしています。
新型の特徴は、旧型より厚みが薄く一回り小さくまとまっています。
新型のサンプルを使って見たのですが、非常に描きやすかったです。
新型には、オーバーレイシートがオプションであります。
種類は3タイプ
- スムース
- スタンダード
- ラフ
スムース~ラフにかけてペンとの摩擦が増えていき、ペン先の摩耗も激しくなります。
お試し版が同梱されているみたいなので、自分の好みに合わせて購入をご検討されたらいいかと思います。
Intuos Pro Paper Editionとは
Intuos Pro Paper Editionとは,Intuos proにペーバーを挟みペンでスケッチする機能がプラスされた商品になります。
板タブをカルトンのように使用し、WACOM専用のインク入りのペンを使い絵を描いていきます。
そして、PCにつないで描いた絵がスキャニングされる仕組みになります。
クロッキーなどをデータとして記録したい方にはおすすめかもしれません。
液晶タブレット
こちらも、WACOM成れしてたせいか描きやすかった印象受けました。
- Cintiq
- Cintiq Pro
2種類が存在しているみたいです。
※ディスプレイなので、別途PCが必要になります。
ペンタブレットPC
こちらは、タブレット+PCが合体したタイプ。
- MobileStudio Pro 13
- MobileStudio Pro 16
の2種類があります。16のタイプは、ディスプレイは4Kを使用し、NVIDIA Quadroグラフィックボードを搭載しています。
クリップスタジオを使用される方は、ハイエンドクラスがおすすめです。その際は限定セット商品がおすすめです。
まとめ
いろいろと書きましたが、WACOMの製品で安い物は悪く、高い物が良いわけではなく、人それぞれの描き方のスタイルによるところが大きいと思います。
Intuos Proの廉価版であるIntuosでもプロの方が使用し満足されている方も大勢います。
MobileStudio Pro 16についても完璧ではなく、価格の面やデスクトップ、ノートPCに比べての構造上の問題をクリアしていかなければなりません。
結局は、どのタブレットを選ぶかはあなた次第になります。
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