使用しているパソコン熱くなっていませんか?その原因はグリスの劣化かもしれません。私も最近その事実を知りましたので、今回グリスを交換いたしました。交換の際、パソコンを分解しなければならず、その時に気づいた事などを記していきたいと思います。


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熱暴走するパソコン

最近パソコンが熱暴走して、ファンが轟音を立てて高速回転し熱風をはき出しているのが気になりました(熱が上昇すれば、パソコンの処理能力にも影響します)。
しかも、部屋の温度が数℃上昇していました。
CPUの適温は、40~70℃だと言われています(今現在、70℃を超え80℃前後)。
吸引式のPCクーラーで対応してきましたが、PCクーラー本体にも熱がこもってしまい限界状態になりましたので、何か方法が無いかとネットで調べていたら、CPUとファン及びヒートシンクの間に塗られているグリスが時間の経過と共に劣化する事実を知りました。
そのグリスの正式名は「サーマルグリス」と言います。
主に、CPUの熱をヒートシンクやファンに伝え、熱からCPUを守る役割をします。
一般的に熱暴走の原因には、ヒートシンクにホコリがたまるなどの別の原因もありますが、今回は、サーマルグリスを主題で説明していきたいと思います。
記事の内容としては、サーマルグリスの役割やグリスの交換に伴うパソコンの分解への注意事項と、実際に私のパソコンを使用してサーマルグリスを交換していきます。
あと、掃除も兼ねてCPUのグリスを交換した結果、どの様に改善したのかを確かめていきたいと思います。

サーマルグリスの役割

グリスとは一般的には、主に工業用で使用され、ギアなどの金属部品同士の滑りを良くし摩耗を減らす役割をします。
しかし、パソコンでのサーマルグリスの役割は、「サーマル(熱の)」を意味するとおり、高温になったCPUをヒートシンクへ効率よく熱を伝達するのに使用します。

パソコン用のサーマルグリス

パソコン用のサーマルグリスは、クリーム状で銀や銅、白など様々な色があり効果もピンキリです。
どの色が効果が高いのかは不明ですが、銀色が主流だと思います。
商品には必ず熱伝導率が表示されていて、数値が高いほど値段も高くなります。

値段の方ですが、高いか安いかは人それぞれですが、ハイエンドクラスで英世さんがようやくお出ましになります。

経年劣化するとどうなるのか

当初、サーマルグリスはみずみずしいクリーム状の液体ですが、CPUなどの高温や冬などの低温にさらされると劣化しはじめていきます。
そして、劣化するとみずみずしさが失われて粘土が固まったような感じになります。

見た目にも、熱を効率的にクーラーに伝える事が出来ないのはご想像できるかと思います。

サーマルグリスの塗り替えを行う時の準備や注意点

サーマルグリスを交換するためには、パソコンを分解しなければいけません。
パソコンを分解する前に、注意事項などを説明していきたいと思います。
※パソコンは、メーカーや機種によって構造はバラバラです。分解する前に、パソコンを分解している動画サイトがありますので、そこで作業工程等をチェックした後に、作業を開始した方がいいと思います。

パソコンを分解する前に

パソコンを分解するにあたり、いろいろと注意する点があります。
今回は、ノートパソコンについての注意事項を説明していきます。
※デスクトップPCやタブレットPCの注意事項もほぼ共通していますが、デスクトップPCの場合は、ノートより難易度が緩くなり、タブレットPCの場合は難易度が厳しくなります。

  • 自己責任で行う事。
  • 事前に計画を立てて行う事。
  • 事前に道具一式をそろえる事。
  • 分解前に、完全シャットダウンを行う事(Windows8、8.1、10)。
  • 分解前に、バッテリーを外す事。
  • 分解はゆっくり慎重に時間をかけて行う事。
自己責任で行う
メーカー製のパソコンは、ユーザーによるパソコンの分解を想定しておりませんので、メーカーのサポートを受けられない可能性があります。
計画を立てて行う
行き当たりばったりで行うと、部品の欠損や欠品、損傷などの原因につながります。分解をする際は計画を立てて実行してください。
道具一式をそろえる
分解するために事前に道具を一式そろえる必要があります。分解途中で道具が足りなくて中止にならないように、計画的に道具はそろえておきましょう。
完全シャットダウンを行う
Windows8、8.1、10が対象になりますが、通常シャットダウンでは一見、電源が切れている状態に見えますが、スタンバイになっていてシステムは稼働状態になっています。パソコンの故障や感電の原因になりますので完全シャットダウンを行ってください。
分解前に、バッテリーを外す
上記の内容と同じで、パソコンの故障や感電の原因になりますので、事前に外してください。
バッテリーを外した後も、内部で電気が帯電しておりますのでしばらくさわる事ができませんが、電源スイッチ(起動スイッチ)を長押しする(約10秒ぐらい)と中の電気を効率よく外に逃がすことが出来ます。
バッテリーが、本体内部に入っていて取り外せない場合は、本体カバーを開けた後、外せるようであれば優先的に取り外してください。
分解はゆっくり慎重に時間をかけて行う
ノートパソコンは、小さな本体に様々な精密部品が内蔵されています。針金よりも細いケーブルなどもあり少しの衝撃で破損してしまいます。分解は慎重に行ってください。
分解に必要な道具一式

ここでは、分解に必要な道具一式を具体的に説明していきます。

  • +とードライバー
  • 交換用のサーマルグリス
  • 静電気防止リストバンド
  • PC内部を掃除する道具
  • 小物入れ
+とードライバー
+ドライバ-は、ビスを外すのに使用し、ードライバーは、接着された部分やツメで固定された部分を外すために使用します(金属だと傷つく恐れがありますのでプラスチックや丈夫な紙のカードなどを使用する方もいます)。
+ドライバーは、ビスの大きさに合った物を使用しましょう。合わない物を使うとねじ山が破損し、別途購入しなければきけません。
ビスには、ミリとインチの2種類があり、それ以外に大きさや長さが違う物もありますので間違わないように気を付けてください。
お互いに違うねじ穴に、無理矢理ビスを閉めるとねじ穴が破損し使えなくなりますので、注意してください。あと、開け閉めにそんなに力はいらないと思います。


※ねじの溝の大きさや間隔が違うのにお気づきになるかと思います。

交換用のサーマルグリス
これを購入しておかないと、今回分解する意味が無くなります。
静電気防止リストバンド


※イメージ

人体や衣類の静電気で、パソコンを破損させないために身につけます(これよく忘れます)。
リストバンドの部分を左右どちらかの手首にはめて、そして電線の先のワニくちクリップを金属部分(なるべく大きい方がいい)に挟みます(作業台の金属部分など)。
あとバンド以外にも、スプレータイプなど様々な静電防止グッズ(イオナイザー等)がありますし、ビニール手袋を使用する方もいらっしゃいます。
※特に冬場は注意してください。私も一回経験し焦ったのを覚えています。

※ビニール手袋でも静電気を帯電する場合もございますので、金属部分(PCデスクの足など)を握るなどして静電気を排除してください。

パソコン内部を掃除する道具
パソコンの中身は、かなりの年数を使用していますのでホコリでいっぱいです。それを取り除くために、掃除機やエアーダスターなどを使用します。


※イメージ

小物入れ
小物入れには、取り外したビスや部品などを小分けして保管するために使用します。百均で購入できます。
私もこういう物を百均で購入して

こういう風に使っています。

完全シャットダウン

完全シャットダウンがわからない場合には、ご使用されているパソコンのメーカーサイトを閲覧していただければ確実かと思います。
完全シャットダウンには、「常に完全シャットダウン」「一時的に完全シャットダウン」と2種類の方法があります。
「常に完全シャットダウン」では、「高速スタートアップを無効」で検索、「一時的に完全シャットダウン」では、そのままで検索すれば詳しく書かれたサイトにたどり着けるかと思います。
※PC用サイトばかりで、スマホ用サイト(レスポンシブウェブデザインのサイトなど)が見つかりませんでしたので、こういう書き方になりました。……すみません。
Windows10の一時的な完全シャットダウン場合は、簡単なので記しておきます。「Shift」キーを押しながら電源→シャットダウンで一時的に完全シャットダウン出来ます。

サーマルグリス交換を実際にやってみた

ここからは、グリス交換を実際にやっていきたいと思います。

パソコンの分解

今回、グリスを交換しようと思っているパソコンは、2013年製の「LIFEBOOK AH77/K アクアブルー」です。
購入して5年経過したので、掃除を兼ねて分解及びグリス交換をしていきます。
この色人気が無いのか、今は無いです(私は嫌いじゃないですが……)。

そして、裏面。

フリーソフトの「HWMonitor」での今のパソコンの温度。

画像なのでわかりにくいですが、リアルタイムで温度の数値が変化しています。
現在の温度、最小の温度、最高時の温度を計測しています。
core#0~3は、それぞれのコアの温度を計測しています。
packageは、コアを被っている物(CPU本体)の温度を計測しています。

このベンチマークを使用してます。
※数値は関係ありません。

ベンチ中の数値がこちら。

普段は70℃前後で、ベンチマークを使用して80℃を超えた状態です。
90℃に達していないので見た感じでは、異常は無いように思われます。

ここからは、分解に入ります。
バッテリーを外して、キーボード、上のカバーを外した状態です。

このアルミのシールが貼ってある部分がCPUだと思います。
「もしかして裏面にあるんじゃ……。」と思ったら、予想が的中しました。
Blu-rayドライブ、ハードディスク、マザーボードに付いているケーブルをすべて外して、裏返しにしてようやく見つけました。

銅の部分がかなり変色しているように見えますが、サビでなく高温による影響ではないかと思います(いやな予感が……)。
ヒートシンクのビスを外していきますと……。
デタァァァーーーーー!!!


かなり固まっています。色は、劣化による変色ではなく元の色だと思います。
ティッシュで、劣化したグリスを拭き取っていきます。

拭き取った状態。所々拭き取れていないところが見受けられますが、このくらいでいいかと思います。

グリスを塗る

次に、新たなグリスを塗っていきたいと思います。
今回、使用するグリスはこちら
ジャジャーーン

くまさんマークの……、「thermal grizzly」のオーバークロック用のグリスです。
こちらは、熱伝導率12.5W/mkのハイエンドサーマルグリスになります。
中身はこの様になっております。

グリスが入った注射器と専用のへらが入っています。
早速使っていきたいと思います。

この様に、CPUのコアの上にグリスを注入します。
次に、へらを使って、コアの上で注入したグリスを均等に広げます。

こんな感じでいいと思います(多分……)。
そして、分解したパソコンを元の状態へ組み立てていきます。

元の状態への組み立て

新しいグリスを塗ったので、ここからは、元に戻していきます。
その際に、ケーブルやハードディスク等、付け忘れが無いように確認しながら慎重に元の状態へ戻していきます(よく付け忘れなどがあるようです)。
そして、元の状態に戻ったら、パソコンを起動します。
BIOSを起動させて、ハードディスクなどが認識されているか確認していきます(異常や認識されていなければ、再度分解して確認をします)。
異常が無ければ、シャットダウンしたあとOSを起動していきます。
OSの起動後も、抜けている部分がないか確認していきます。
OSでも異常がなかったので、CPUの温度チェックをしていきたいと思います。

温度チェック

グリスを交換してどれぐらい温度が下がるのか楽しみです。
いつものベンチマークを使って、では……

……あれ?
……あまり変わってない様な……、まさか、グリスの量が少なかったか?

再分解

もう一度分解して
これでどうだぁ!!

再度確認

……あまり変わっていない。
いや、最小の部分が2~5℃下がってる。
比較のため分解前の画像

一様微妙でしたが、効果はあったようです。

リンク

今回使用したグリスのリンクを貼っておきました。
商品の内容などを参照することができます。
もし、ネットではなく実際に商品を手にとって確認したい場合は、自作PC専門店(パソコン工房、ソフマップなど)に置いてあるかと思いますので、Google Mapなどで場所を確認して、行って見るのもいいかと思います。

ドイツ Thermal Grizzly社製 オーバークロック用特別設計高性能熱伝導グリス Kryonaut 1g

パソコンを分解するのはちょっと……

パソコンを分解するのは、なれている人でも緊張します。ましてや経験が無い人は尚更だと思います。
そういう方は、購入された店舗やメーカーのサポートセンターをご利用するのをおすすめします。サポート期間中であれば、無償で修理してくれます。
しかし、サービス期間が終了してしまった方場合は、残念ながら有料修理となってしまいます。
そんなお金が無い方は、パソコンに詳しい会社の人や友人などと相談してはいかがでしょうか。
近くに、パソコンに詳しい友人がいらっしゃらない場合は、自分で修理する選択肢しかありません。
その場合は、いきなり本機の分解に掛からず、壊れてもいい使っていないパソコンがあればそれを、無ければジャンクPC(1,000円未満)を買って実際に分解してなれるのがいいかと思います。
10年以上前のノートパソコンでも、コネクターやビスなどほとんど変わっていないと思いますので、体で覚えていきます。
人間は、知識で覚えるよりも体で体感するほうが、確実なのでこの方法を取ってください。
あと知識も重要なので、事前にユーチューブなどでパソコンの分解を紹介している動画サイトが多々ありますので、それに該当するサイトを閲覧することで失敗するリスクを極限に減らすことができます。
誰にでも、初めてはあります。分解をおすすめはしませんが、分解することによってパソコンの構造をより詳しく知ることができます。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、グリスが劣化して熱暴走の原因になる恐れがあるため、新しいグリスへの交換の仕方などをご紹介しました。
私のパソコンでは、熱暴走とまではいっておらずあまり参考になりませんでしたが、現にグリスが劣化しておりましたので、交換できてよかったと思います。
実際、CPUの温度が90℃を超えて熱暴走したとき、安全装置が働き強制シャットダウンしパソコン自体を守る機能が備わっています。
その際に、処理能力の低下、作業中の中断やデーターが失われるリスクが生じる恐れがありますので、早めに対処した方がいいかと思います。
しかし、基本パソコンの分解は素人には難しく、自己責任ですのであまりおすすめはいたしません。


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